ウクレレキッズクラブ
ウクレレキッズクラブは、コーリー&エダ・バーグマン(Corey& Edda Bergman)が始めた非営利団体 で、フロリダ州にある本部の経営も含め、活動はボランティアが担っています。
ニューヨーク在住のバーグマン夫妻は、2010 年に 20 歳の息子、ジャレッドをウ イルス感染症によって突然に亡くしました。夫のコーリーは、大きな喪失感や痛 みを癒すため、メイク・ア・ウィッシュ財団のボランティア活動に参加し、多くの 恵まれない子供たちの希望を叶えるため何度もディズニーワールドに連れて行っ ていました。
その後夫妻はフロリダに移住し、ある日コーリーは友人からの誘いで小児病院を訪れました。病気と 戦っている子供達に接し、子供が大好きでミュージシャンであった息子の記憶と共に「この子供たち に何かしてあげたい」という思いが、心に重なりました。これを機に病院のファミリーセンターでボ ランティアを始め、ミュージシャンのコーリーがある時子供や家族のために得意なギターを弾くと、 子供たちが集まってきて踊りだし、親たちも笑顔で嬉しそうに眺めていました。この時彼は自分のい るべき場所を見つけたような気がして、その後は近隣の小児病院でボランティアとして演奏を続けて いました。
ある小児がん病棟でのことです。そこはシンと静まった全く音のない世界でした。その廊下を静かに ギターを弾きながら歩いていくと、その音に気付いた人の病室のドアが少しずつ開いていきました。 廊下を往復する間にある母親が近づいてきて、息子の病室で演奏してほしいとのこと。中には少年が 何本も点滴の管を腕につけて横たわっていましたが、コーリーが目の前でギターを弾き始めると、弱 っている体を起こし始めました。母親から「ジェイソンが 15 歳でロックバンドのギタリストだ」と聞 いたコーリーは彼にギターを渡しましたが、管などが邪魔してうまく持てません。そこでコーリー は、急いでボランティアの部屋から旅行用の小さめのギターを持ってきて、彼の腕に置いてあげまし た。ジェイソンの知っている曲のコードをコ-リーが静かに弾き始めると、ジェイソンがメロディー を弾き始めました。二人は一緒にギターを奏で、音楽の癒しが部屋を満たしました。
コーリーは、この経験から子供達自身が音楽を奏でることの大きな力を知り、少しずつウクレレを子 供たちにプレゼントして弾き方を教え始めました。そしてそのことを知った彼の友達が、ウクレレ購 入のための資金を寄付し始めたのです。ウクレレキッズクラブはこうして、2013 年にスタートしま した。コーリーのストーリーをもっと詳しく知りたい方は、彼の TED トークのビデオをみてくださ い。(https://www.youtube.com/watch?v=4IgyDjFAxdg)